こんなにある、機能性便秘の種類
便秘は辛いですよね。手っ取り早く出してしまいたい!スッキリしたい!という気持ちに答えて今までもたくさんの便秘改善法や、便秘に良い食べ物、運動などが紹介されてきました。
それらは全て腸にとっては良い事に違いありません。辛い便秘にずっと悩んでいる方ならすぐにでもかたっぱしから試してみたい!と思う事でしょう。
その前に。あなたを悩ます(機能性)便秘がどのタイプなのか、と考えたことがありますか?便秘といっても原因によって種類が異なるのです。
あなたが便秘になったのはそもそもどんなことがきっかけなのでしょう?まずはそれをクリアにしていきましょう。
お腹に手を当てて考えてください。あなたはどのタイプですか?あなたを悩ますのはどの症状ですか?
腸が動かない!「弛緩性便秘」
「弛緩性便秘(しかんせいべんぴ)」は日本人に最も多い便秘です。高齢者の方、妊婦さん、若い女性、デスクワーカーなどに多く見られます。
この方たちの共通点とは?ズバリ、運動不足による腹筋力の低下。
女性は男性と比べて元々筋力不足ですよね。また高齢になれば誰でもだんだんと活動量も減って来るため、筋力が弱まる傾向にあります。運動不足が原因となる便秘が「弛緩性便秘」です。
筋力不足になると便を押し出す力も不足がち。すると大腸のぜんどう運動も低下します。これでは便がゴールの直腸へ行く時間がゆっくりとなってしまいます。
つまり便が腸にとどまる時間が長くなるということ!腸にいる時間が長くなれば、どんどん便の水分が吸収されていき、黒くて硬いコロコロとした便に!
膨満感やお腹がパンパンで苦しい!だけど出ない!ガスが腸に溜まっているからです。
このまま放っておくと、ニキビや肌荒れなどの女性にとっては悩みが増える結果にも!
腸が激しく動きすぎる!「痙攣性便秘」
腸の動きは自律神経が大きく影響します。副交感神経と交感神経のバランスを狂わすもの、それがストレスです。
ストレスフルな現代社会の中で、年齢や性別問わず様々な要因がストレスになってしまいます。ストレスがない!なんて人はいないと言っていいでしょう。
交感神経は活動に喝!を入れる重要なものなのですが、こればかりだとリラックスするときがないため、始終緊張しっぱなしで体はヘトヘトになってしまいますよね。
自律神経のスイッチがうまく切り替わらないために、大腸の動きをうまく調節できません。すると腸が活発に動きすぎる。これが「痙攣性便秘」です。
- 下腹部に痛み
- 便秘と下痢が交互に起こる
- 水分が吸収されすぎてうさぎの糞のようなコロコロ便
このような症状は、ストレスをためやすい性格や、仕事や家事に追われ休む暇がない、いつも緊張しているという方に多く現れます。
「痙攣性便秘」になってしまったら、ストレスをためないことが重要です。リラックスできる趣味やスポーツを見つけて心も体も腸もゆったりしてあげましょう。
このタイプはつい頑張りすぎる傾向にあるので、辛い症状をなんとかしたいと、世に出ている改善方法をいろいろ試したいと思うことでしょう。
しかし世に出ている便秘の解消法は「腸の動きが鈍いタイプ向け(「弛緩性便秘」向け)」が多いため、「痙攣性便秘」の人がうっかりこの手の解消法を試してしまうと大変なことになってしまいます。
もともと動きが活発すぎるのに、もっともっと激しく動くことになってしまい、下痢と便秘を繰り返してしまい、今以上に辛くなってしまうかもしれません!
これがタイプ(原因)に合った対処法を選ぶ必要がある!ということなのです。
溜まっているのがわからない!「直腸性便秘」
トイレに行きたい、と思ったらすぐに行ければいいのですが、いつもそうとは限りませんよね。こうして我慢することが続くと、「トイレに行きたい!」というサインを感じづらくなります。
大腸自体は正常に動いているので、ゴールの直腸にはどんどん便がたまっていきます。ここでサインを感じ取ってトイレに行けばいいのですが、便意が感じにくく直腸でストップしたままです。
たまった便は硬くて太くなっていきます。一層排便するのが厄介になってしまいます。これが「直腸性便秘」です。
寝たきりの高齢者や、忙しくてトイレタイムを後回しにしてしまう人などは要注意ですね。便意を感じなくても決まった時間にトイレに行く習慣をつけましょう。
また便意に鈍感になっているので、トイレに入るとつい力んでしまいこともあるのでは?
無理に出そうとして長い時間力んでしまうと、肛門が切れて痔になってしまう危険性が!その痛みでまた排便を避けてしまうという悪循環になりかねません。トイレにいっても、長い間力む事は避けてくださいね。
このタイプも便秘薬を使うときには注意が必要。「弛緩性便秘」に効果がある「腸を動かす」薬を飲むと、下痢をしてしまいます。
薬で便秘になる?「薬剤性便秘」
年を重ねると体にいろいろな支障が出てきます。消化器系の疾患や、心血管系疾患、神経疾患などを抱える人も少なくありません。治療のため複数のお薬を服用している人も多いでしょう。そのお薬の副作用が原因で起こるのがこのタイプです。
かかりつけ医には必ず、今自分が飲んでいる薬を全て伝えておきましょう。お薬手帳を活用し、体調の変化などはその都度話しておきましょうね。